ピアノと電子ピアノの違いを先生の立場から詳しく説明!
ピアノを習おうと思っても楽器がない!
じゃあ電子ピアノにしようか。でも、ピアノと電子ピアノはどう違うのだろう。
こういう風に悩まれるお母様も多いと思います。
今回はピアノと電子ピアノの違いを現場の先生から詳しくお伝えしようと思います。
では早速いってみましょう。
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Contents
ピアノと電子ピアノの違い
まずピアノと電子ピアノってどう違うのか、画像で確認しておきますね。
ピアノ
アップライトピアノといいます。
ご家庭で購入するピアノと言えばこれになりますね。
色は黒が多いですが、チーク、マホガニー、などおしゃれな茶色のピアノもありますよ。
こちらはグランドピアノといいます。
先生のレッスン室にあるのはほとんどがこのタイプだと思います。
学校の音楽室や講堂にあるのもこのグランドピアノですね。
電子ピアノ
電子ピアノはたくさんの種類があり、アップライトピアノやグランドピアノに似たものやもっと小型のもの、鍵盤だけのキーボードなどあります。
ピアノとのはっきりした違いは電源を入れるスイッチがあるという事です。
ピアノと電子ピアノの違いを表にしてみました。この場合の「ピアノ」は「アップライトピアノ」です。
ピアノ | 電子ピアノ | |
---|---|---|
サイズ | 奥行 60cm 幅 150cm 高さ 150cm | 奥行 50cm 幅 150cm 高さ 90cm~ |
重さ | 200kg~350kg | 40kg~100kg |
鍵盤数 | 88鍵 | 61~88鍵 |
鍵盤の質 | 木製 | 樹脂 |
メンテナンス | 年1度の調律 | 特になし |
耐久性 | 丁寧に使えば一生もの | 電気部品の耐久年数 |
音量 | ペダルで弱音にできる (消音ではない) | ヘッドホン対応 |
音質 | 自分で弾いた音がそのまま出る | 他のピアノを録音した音を再生、または合成音 |
タッチ | 指先の微妙なタッチを弾き分けることが出来る | タッチを弾き分けることは難しい。 |
値段 | 中古で20万円~ 新品で60万円から | 中古で5万円~ 新品で10万円から |
この表をざっと見て感じることは
ピアノ:良さそうだがメンテナンスやらいろいろ大変そう
電子ピアノ:購入しやすそう
こんな風に思うのではないでしょうか。
では細かく見ていきますね。
サイズ
奥行も幅もそう変わらないのですが、高さが違います。
アップライトが150cmほど、電子ピアノは90cm~100cmほどです。
この高さの違いは大きく、アップライトピアノは結構圧迫感を感じます。色も黒が多いですからね。
電子ピアノは圧迫感を感じることはそうありません。
重さ
アップライトピアノの250kgは相当なものです。お母さん5人分くらいでしょうか。
電子ピアノは40kgから(機種によって変わってきます)ですね。
これはお部屋の模様替えなども簡単にできるし、1階から2階への移動もできます。リビングから子供部屋への移動をすることが多いようです。
私はどちらかというとリビングに置いていて、お母さんが練習をチェックして下さると嬉しいのですが(>_<)
アップライトピアノの移動は素人では無理です。いったん設置するとその場所からの移動はできないとお考え下さい。(大人が2,3人なら可能かもしれませんが大変危険です)
鍵盤数
アップライトピアノの鍵盤数が88鍵と決まっているのに対して、電子ピアノは鍵盤数がいろいろあります。
キーボードなどは36というのもあります。
ピアノを習い始めるときは、真ん中の一点ハの音、いわゆる「真ん中のド」から音を覚えていくことが多いので、ピアノと同じ鍵盤数88のものを強くおススメします。
鍵盤数がかわると「真ん中のド」の位置が変わり、子供が混乱するからです。
鍵盤の質
アップライトピアノの木製に対して電子ピアノは樹脂です。
弾いたときの指の感触は違います。
象牙
昔はピアノの鍵盤と言えば象牙でしたけど、象牙が禁止されてから今のピアノはふつうの木製になりました。
おばあちゃまの古いピアノだと象牙かもしれませんよ。
象牙だとね、鍵盤が少し黄ばんでいるのです。
でも、素敵ですよ。
メンテナンス
ピアノは年に一度の調律が必要です。ピアノは弦が張ってあり、使い続けることで少しずつ音が狂ってくるからです。
電子ピアノは音そのものが録音されたものであるため、調律は不要です。
調律って・・・
年に一度の調律って言っても素人の耳では狂ってるかどうかなんて全然わからない。
調律代も結構高いので放っておこうかな。
なんて考える人もたくさんいます。
ところが月日が経つのはあっという間。気が付けば10年もほったらかし・・・
そうすると誰が聞いても音は狂っていてしかもなんだか変な音・・・・
こうならないように年に一度とはいわなくてもメンテナンスはしっかりとやっておいてください。
そうするとピアノは一生ものです(^^♪
耐久性
メンテナンスの囲み記事でも触れましたが、ピアノはメンテナンスをしっかりすればかなり長く使えます。
さすがにバイオリンのような100年、200年は使えませんが、お母様やおばあさまのピアノだと十分使えますよ。
電子ピアノは電気製品なのでその部品の耐久年数が終わるまで、ということになります。一般的には10年と言われています。
音量
ピアノの音量はかなり大きいです。ご近所さんから苦情が来ることもあるんですよ。
アップライトピアノには弱音ペダルというのがついていますが、消音ではありません。意外と外にも聞こえています。
消音ユニットというのも別売りであります。
電子ピアノはヘッドホンがありますから、音を気にすることなく弾くことができますね。
音質
ピアノは自分が弾いた音がそのまま出ます。
電子ピアノは元から録音していた音を内蔵していてその音をだしています。録音した音というのは、たとえば名器スタインウェイの音を内蔵しておく、というものです。
または合成音を使います。
タッチ
ピアノは木製の鍵盤で、電子ピアノは樹脂です。
ですから指の感触が違います。
ピアノでは様々な音色を細かなタッチで弾き分けることができますが、電子ピアノでは難しいです。
値段
アップライトピアノは中古で20万くらいからあります。(50万くらいまででしょうか)
新品になると60万くらいから150万くらいまであります。
電子ピアノは中古だと5万くらいからあります。
新品で10万くらいから高いものだと100万くらいするのもあります。
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どっちを買えばいいの
いろいろ違いをみてわかったものの、どっちを買おうか迷います。
そこでピアノの先生はこんな風に考えている、というのをお伝えしますね。(私個人の意見です)
ピアノが必要な場合
ピアノと電子ピアノの大きな違いは音色とタッチです。もちろん値段もですね。
もし、お子さんを将来コンクールに出したり、音楽の道を、とお考えの場合は電子ピアノではなく、ピアノをお勧めします。
コンクールではたとえ小学生低学年の曲であっても細かなニュアンスや音色の違いを感じて弾くことを求められるからです。
電子ピアノで細かな表現をするのは難しいからです。
CMで大人の人(プロのピアニスト)が電子ピアノを弾いていますが、速い曲がほとんどですよね。ゆっくりの曲では細かな音の違いを表現するのは難しいからかなあ、と感じています。
電子ピアノの場合
そうはいってもピアノの習い始めから「コンクールに・・・」とか「音大に・・・」などと考えておられる親はそういないと思います。
初期費用に50万とかありえない!てなりますものね。
でも88鍵あることは確認してくださいね。前述のとおり、音符を覚えるのにまん中のド(一点ハ)から始めるケースが多いので鍵盤数が少ないとお子さんが位置確認できなくて迷ってしまいますので。
電子ピアノの良さは手軽さです。
値段のこともそうですし、大きさもコンパクトで移動もしやすいです。
黒いアップライトピアノは意外と圧迫感があります。(茶色もあります)
重さも結構あるので、昔、新築するときには「ピアノ置き場」として床補強していることがありました。(今の住宅は全体的に強い構造となっているので、部分的な床補強はないようです。)
また、ヘッドホンがついているのでご近所に気兼ねすることなく練習することが出来ます。
ピアノと電子ピアノ、どっちがいい?
ピアノの先生の立場として正直に申し上げるならば、やはりピアノ(アップライトピアノ、グランドピアノ)をお勧めしたいです。
電子ピアノにはピアノにない良さがたくさんあるのですが、それでもなおピアノの先生が普通のピアノ(アップライトピアノ・グランドピアノ)をすすめるには訳があります。
それはなんといっても音色とタッチの違いです。
構造からいってもハンマーを使って音を出すピアノは練習次第でいろんな音を出すことが出来ます。
ほんとに微妙なタッチで繊細な音、優しい音、元気な音、厳しい音、いろいろ表現できるのです。
それはとても素敵なことです。
そしてピアノを弾く醍醐味といってもいいかもしれませんね。
可能ならばピアノ(アップライトピアノ・グランドピアノ)をおススメしたいです。
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