ピアノコンクールに子供を出すべきか?メリットやレベルまでお知らせ
日本中あちこちで開催されるピアノコンクール。
大人のコンクールのみならず子供のコンクールもとても盛んです。
子供の先生から「コンクールに出てみませんか?」と言われることもあるでしょう。
でも、そこで悩みますよね。
「ピアノコンクールに子供を出すべきか・・・」
今回は子供をコンクールに出すメリット、デメリット。
また、先生の立場からみたコンクール参加の意味、そして子供のレベルはどれくらいかなど、盛りだくさんさんにお話ししようと思います。
では早速いってみましょう。
スポンサーリンク
ピアノコンクールに子供を出すべきか
ピアノコンクールに子供を出すべきかどうか、親としては悩みますよね。
ピアノ講師歴30年を超える私の率直な意見としては
こう思います。
何人もの教え子のコンクールを見守ってきた立場として、毎回生徒たちの大きな成長を肌で感じてこれたというのがその最大の理由ですね。
頑張りが必要なのがコンクールであり、大変ではあります。でも、得るものが本当に大きいですよ。
と言っても、性格ですとかレベル、家庭の事情などによっては出場しないことをお勧めすることもありますし、出場するかは状況によりけりではあります。
私の意見は基本的に出場するのが良いというものですが、メリットとデメリットの両方をお伝えしますので、お子さんに合わせて考えてみてください。
では、なぜそうなのかはまずメリットからお話しますね。
コンクールに出るメリット
- 曲の理解が深まる
- テクニックがつく
- 集中力がつく
- 忍耐力が養われる
- 大きな経験となる
1.曲の理解が深まる
コンクールでは課題曲があり、1曲だけのものから4曲くらいと幅があります。
予選だけでいうと1曲か2曲が多いです。
その予選の課題曲を3か月とか4か月とか練習するのですね。
ですから曲の理解が深まります。
普段のレッスンでは1曲仕上げるのにそこまで長い時間をかけることはありません。
ですが、コンクールの曲となるとフレーズの取り方はもちろんのこと、音符の長さの意味や、逆に休符の意味までもしっかり考えます。
またいつもはフォルテやピアノの意味も単に強弱だけでなく、何故ここでフォルテになるのかピアノになるのか考えます。
そして、曲の背景も考えたり、想像したりします。
ここは小川が流れているところ、ここは嵐になっているところ、ここはうれしさでいっぱいになっているところ、ここは怒っているところなどなど。
これは小学校高学年とかにこだわらず、小学校低学年でも、幼稚園児でも同じなのですよ。
2.テクニックがつく
「理解が深まる」の項目で書いたことを表現しようとしてテクニックがついていく、という事です。
どんな小さな子供でも「ここは蝶々さんがひらひら飛んでいるんだよ(^_^)」というと優しい音を出そうとします。
「ここはライオンがガオー」というと一生懸命ガオーの音を出そうとします。
そこで優しい音の出し方、力強い音の出し方、汚い音はこんな音、と教えると納得するものです。
3.集中力がつく
自分がイメージしていることを音で表すには、自分の出している音をよーく聴かなければいけません。
そのためには集中しなければ違いを聞き取ることが出来ないのです。
4.忍耐力がつく
曲をイメージしてテクニックをつけて弾いていても、コンクールというのは数か月かかる長期戦です。
そして予選を突破するレベルは相当に高いものです。
普段のレッスンだったら楽しいだけで済んでも、いつもよりもっともっと高いレベルが要求されるので、結構嫌になります。
それでも練習するしかありません。
苦しいところですね。
ひとつのことをやり切る忍耐強さは相当培われると思いますよ。
5時間の練習時間
20年以上昔のこと
A子ちゃんは予選も本選も突破し、夏休みを返上して全国大会の練習をしていました。
その時小学3年生。
全国大会課題曲は4曲です。
「毎日どれくらい練習してる?」
「う~ん、5時間くらいかなあ」
「そう(^_^)」
とはいったものの内心は
「びっくり!!!」「頑張っている」
でした。
コンクールとはいえ、1曲は2分弱の曲ばかりです。4曲全部合わせても7、8分もありません。
1日に何回も練習して合計5時間とはいえ、凄まじい集中力と忍耐力です。
どのコンクールでもこれくらいの練習量がいるとは言いませんが、コンクールに出ることで集中力と忍耐力が養われるのは間違いありません。
5.大きな経験となる
ピアノコンクールは独特の雰囲気があります。
受付を済ませ、受験順に並び、舞台袖で待つ。そして番号を呼ばれたら舞台へ出て行って課題曲を弾く。
これは発表会とは全然違う経験です。
ある一定期間ずっと練習してきた曲を審査員の先生に聴いていただく。
そして結果が発表される。
この経験はずっと残るものです。そしてその結果が素晴らしいものだったらなおさら良い経験として残りますね。
えっ?銅賞!?
その子は予選本線と進むものの、いつもギリギリでの通過でした。
次、上位金賞銀賞銅賞に入れば全国大会です。
でもそれ狙いではなくて、真ん中の優秀賞を狙っていたのですね。
ところが、、、
やはり、優秀賞でも名前は呼ばれませんでした、、、、
がっかり気落ちする○○ちゃん。
発表は続きます。
「銅賞、○○△△さん!」
と、まさかの銅賞で名前を呼ばれたのです。
「えええっ、私?私?」
次の瞬間、一緒に来ていたお母さん、おばあ様、兄弟たち全員で狂喜乱舞でした!!!
それからもう3年経ちますが、今でも「あのときはなあ」と嬉しそうに話します。その顔は自信にあふれています。
この生徒がコンクールを受けて本当に良かったと思える出来事でした。
この経験は一生の宝物になるのではないでしょうか。
コンクールに出るデメリット
コンクールに出るデメリットは次の3つと考えます。
- 自信を失う
- 人と比べてしまう
- 時間をとられてしまう
ひとつずつ見ていきますね。
1.自信を失う
コンクールにはかならず結果を伴います。簡単にいうと予選に受かる、落ちる。何らかの賞をもらう、もらわない。こういったことですね。
子供のコンクールとはいえ、レベルは相当に高いものです。そして予選が受かる人数は限られています。当然予選落ちという事があります。
初めから「今年は腕試し」であるならいいのですが、実際に毎回毎回受けていつも予選落ちする子供がいます。
それではちょっと悲しい気持ちになりますね。
たとえコンクールであっても、子供がいつもがっくりしてしまうのでは良くないと思うのですよ。
出ると決めた時にどこに目標を置くか、確認しといた方がいいですね。
2.人と比べてしまう
お友達といっしょにコンクールに出ることになった場合に気をつけなければいけないことですね。
「B子ちゃんは予選通ったのに」
「C子ちゃんは奨励賞もらったよ」
親にこういう気持ちが出そうなら子供をコンクールには出さないことです。
3.時間をとられてしまう
予選、本選、全国大会は夏休みや春休みという事もあります。
すると、せっかく楽しい家族旅行を計画していたのに、日程的に旅行に行けなくなってしまうなど大きな予定が狂う事もあります。
普段の練習に時間をとられてしまうのは、受けると決めた以上はやらなければいけませんが、、長い休み中の予定などは要注意です。
予選会場や本選会場は何カ所にも分かれていることが普通ですから、参加できる日程であるかどうかも大きなポイントですね。
ではここでピアノコンクールに出る子供のレベルについても触れてみましょう。
スポンサーリンク
ピアノコンクールに出る子供のレベルは
コンクールには課題曲がほぼ必ずあります。
そしてそのコンクールに出る子供のレベルというのは、その課題曲よりはるかに難しい曲を普段のレッスンで練習している子供ということになります。
もちろんこれは一般論で、普段のレッスンでそれほど進んでいない場合でもコンクールに出る子供もおります。
その場合は子供が本当に音楽性豊かに弾くことが出来ている、という事が重要になってきます。
・普段のレッスンで課題曲よりはるかに難しい曲を練習している子供
・普段課題曲レベルのレッスンをしているがとても音楽性豊かな子供
詳しくはこちらでどうぞ
ピアノコンクールに出る子供のレベルは?こんなタイプの子供が出場してます
また、次の記事も参考にしてくださいね。
先生はこう考えている
大抵の場合先生からコンクールに出ることを勧められると思います。
この時の先生の気持ちとしては
「コンクールを通して大きく伸びて欲しい」
という事なのです。
お母様として気になることは
「うちの子は受かるんだろうか」
という事ですよね。
常にコンクールに生徒を出している先生、しかも入賞させている先生なら予選を通す実力は十分お持ちです。
それでも結果を保証するものはありません。
これは先生にはっきり聞けばいいですね。
「十分予選を通る力はあります」
「ぎりぎりです。練習次第です」
「今年は参加することに意義を見出しましょう」
等々、先生はある程度わかりながらコンクールを勧めていますので、その子供がコンクールに出ることについて聞いてみるといいと思いますよ。
ピアノコンクールに子供を出すかどうか迷っているお母様へ。
私hあ経験上出すことに賛成です。そして、出ることについてそのメリット・デメリットを書いてみました。
私の教室でもたくさんの子供たちがコンクールに参加してきました。
コンクールに出ることがその子供の成長に必ずつながると思っているからです。
コンクールは一つの経験です。当然苦しいこともありますが、コンクールがその子供にとってプラスであると思えるなら、出てみてはいかがでしょうか?
スポンサーリンク